非構造化データは宝の山

AIを導入して来店客の属性を知ろうと考えると、「顔データ」などの非構造化データの出番です。非構造化データによって、どんなことがわかるのでしょうか。いちばん大きいのは、小売店であればお客様が「なぜ買わなかったのか」などをある程度、推定できるようになります。従来、小売店では正確な来店人数さえわからないことも多く、お客様が店内のどこで立ち止まり、どういう導線行動をしたのかもわかっていませんでした。そして、最終的に「買いました」というPOSデータしか残っていなかったので、結果だけしかわからず、そこに至るプロセスがまるでわからなかったということです。本来、小売店の場合、顧客の行動フロセスが重要と言われます。お客様が店に入ってきて、通路Aをスッと通り過ぎ、通路Bでは立ち止まって棚を見て、商品Cを手に取り、けれども価格を見て戻した。こういう行動のプロセスがつかめれば、「買わなかった」理由も、仮説ベースではあっても一定程度まで推定できるからです。ディープラーニングを活用することで、来店客の男女・年齢などの属性だけでなく、店内での行動などの情報もわかってきます。そこで「属性情報・滞在位置・時間情報」と、POSデータによる「購買情報」とを結び付ければ、このような導線行動をとった人が〇%の確率でこのような商品を買う傾向がある(あるいは買わない)、ということがデータベース化されていくので、それを分析すれば、具体的な施策に活かすことができます。たとえば商品Xを買った人にはこういう導線行動パターンがいちばん多かった、この導線のパターンは探し物が見つからなかった人に多く、商品の陳列を変更する必要があるのではないか、といった仮説の立案と、その対策も取れるようになります。いままで使えなかった非構造化データが、AI導入によってビジネスにとっての宝の山に変わるのです。